春日原始林に連なる高円山を背に、新薬師寺、白毫寺といった古刹が点在する高畑界隈は、古くから続く春日大社の社家町です。大正から昭和の初め頃に文化人のあこがれの地とされていたところで、白樺派の文豪志賀直哉や足立源一郎画伯をはじめ、多くの文人や有名画家の自宅が軒を連ねていました。 高畑から西へ。元興寺旧境内を中心とした地域は、平城京の外京にあたり、当時の道筋をもとに発展した長い歴史を持つまちで、「奈良町」と呼ばれています。江戸末期から明治時代にかけての町家が残り、懐かしい雰囲気が漂います。