歴史街道倶楽部 イベント

茶の香り・源氏の薫り・絵のかおり 歴史と文化の「かおり」を求めて宇治を行く

募集内容

実施日 2003年6月7日(土)

レポート

実施日:2003年6月7日(土)

参加人数:224名

歴史と文化の「かおり」がテーマの宇治のまちウォークはとても楽しく、また不思議な時間でした。
集合場所でもあった黄檗山萬福寺は、中国明朝様式を取り入れた1661年の創建当初の姿をそのまま今に伝えていて、寺院としては日本ではほかに例がなく、国の重要文化財として指定されています。本堂に魔よけの桃が彫られている「桃戸」があったり、関羽がまつられていたりと、香港映画の撮影で使われそうなくらいにエキゾチックでした。
午前中はこちらで講話を拝聴し、普茶弁当をいただいた後、お坊さんにお寺内を案内してもらいました。
私はいつも母と二人で参加しています。イベントに参加するときは行程に載っている場所を調べて「こんなとこへ行くんだね」などと話しているのですが、実を申せば、今回で一番の楽しみだったのが、普茶弁当でした。中国風の精進料理というのが珍しく、やっと昼食になったときは嬉々としてお弁当の蓋を開けたものです。あっという間に食べてしまったのは、やはりおいしかったからでしょう。
午後からは、親切なボランティアガイドさんに、いろんな時代の史跡を駆け足で案内していただきました。
記紀の時代のロマンを感じる宇治上神社は、世界文化遺産に登録されています。源氏物語ミュージアムでは華やかな王朝文化に触れ、雷雨になって一層速さを増した宇治川の流れは『歴史の旅人』に載っていた「宇治川の合戦」を思い出させてくれます。
そして、興聖寺では伏見城の遺構で作られた血天井を見学しました。京都市内の養源院や正伝寺だけでなく、宇治でも使われていたのですね。解散後に駅へ向かう途中では、豊太閤縁の金看板を掲げたお茶屋さんを見かけたりもしました。こんなにもさまざまな時代の史跡があるのはやはり、いつの時代も宇治は「都のそば」だったからですね。
また時間があれば、時代別にテーマを決めて、ゆっくりと巡って見たいと思います。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載