歴史街道倶楽部 イベント

新春 文楽鑑賞会 文楽床にみる大夫と三味線の世界

募集内容

実施日 2009年1月24日(土)

行程

特別企画「豊竹咲甫大夫、野澤喜一朗による実演と見所の解説」/文楽 公演第2部鑑賞「花競四季寿」・「増補忠臣蔵」本蔵下屋敷の段・「曲 輪 」吉田屋の段

レポート

実施日:2009年1月24日(土)

参加人数:55名

文楽に出会って恋をしてというと大袈裟ですが、この恋はかなり昔のこと。亡き主人と淡路島へ行ったおり、人形浄瑠璃に出会い、気楽な観 光気分で見たのが初めて。一人になった今、歴史街道倶楽部に文楽鑑賞の文字を見つけ、友を誘って躊躇することなく申し込みました。
とにもかくにも文楽劇場は初めて、中に入ってウロウロ、見るもの見るもの珍しい。ぞろぞろと会員数十人で別室へ。何が始まるのかと思いながら、前に近いいすに陣取り、待つこと数分。豊竹咲甫大夫さんと三味線の野澤喜一朗さんが来られ、まず三味線の説明。バチの大きさと演者の手の豆。私は参ったと思った。そして大夫さんの語り。三味線も語りも心ひかれる説明に文楽を見たような気分になったけれど、「いえいえこれからですよ」と自分に。お弁当を受け取りいざ劇場内へ。
演じ方の汗や表情、しぐさも手に取るように見え、人形が出てきたときのなんともいえない高揚感。緞帳の上の語りのテロップ、三味線、大夫さん、人形、人形遣いと忙しく見回しながら、上まぶたが少し下がってきたとき、綸子に花を散らした感じのあでやかな鷺娘の登場。一瞬にして目を奪われ、感嘆。琴を弾く場面では、実際に弾いているのと、人形の指使いが同じで、人形遣いの技術にも感心しました。最後までまぶ たを閉じることなく興奮気味に劇場をあとにする。古典の入り口に立ったような満足感でいっぱいでした。
 
歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載