歴史街道倶楽部 イベント

韓国・歴史街道ロマンへの旅・5日間

募集内容

実施日 2001年10月16日(火)~20日(土)

行程

関西空港ーーー釜山===慶州泊、仏国寺===石窟庵と古墳公園===雁鴨池===芬皇寺址===国立慶州博物館===慶州泊、慶州===海印寺===内蔵山国立公園===全州泊、全州市内観光===扶余観光===全州泊、水原華城===ソウルーーー関西空港

レポート

実施日:2001年10月16日(火)~20日(土)

参加人数:19名

「あー、行ってきてよかった!!」というのが無事、関空に帰着後の実感でした。出発前日まで、準備をしながらも不穏な世界情勢に、気持ちは終始行きつ戻りつしていた。
昨春病気退職後、自分の時間を存分に持てる贅沢さを幸いに、読みたい本を次々と読んでいった。そのなかで出会った司馬遼太郎『街道をゆく』の「韓のくに紀行」。恥ずかしながら不勉強と無知ゆえに、それまで韓国は私にとってやや遠くにあった。「目からうろこ」とはこのような事をいうのだろうか。「耽羅紀行」も一気に読んだ。のめり込み気味に他の著者の「韓国古寺紀行-日本仏教の源流をたづねて-」なども読み、改めて奈良や京都を振り返り、縁あるかの地への興味も広がった。ちょうどそんな時のこの旅の企画だった。
印象が深かったのは、地下にいまだ二百五十基もの古墳が眠っているという慶州の広大な古墳公園。園内は手入れが行き届き、目を見張る円墳の数々。未発掘のものが多いなかで、発掘、研究を終えた「天馬塚」が見学できたのは幸せであった。塚内には埋葬形態の様子や発見された副葬品の数々が展示されていた。
全州の馬耳山は名の通り馬の耳の形で並び立つ岩峰。麓に石を積み上げて造られた八十基余りの石の塔があり、その見事な景観にはただ感嘆あるのみ。寺院、史跡境内にみる立派な石重の塔、頑強壮大な石の城壁、石造の天文台など、いにしえのこの国の石造技術の高さには崇高さをも感じた。
日本語堪能な現地ガイドさんは心配りも満点だった。思いのほか日本語の上手な人も多く、ふと耳にした若い人たちの音楽はメロディー、リズムとも私の耳に心地よく、この国の旅をより快いものにしてくれた。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載