スタッフレポート

首都圏留学生の招聘プログラム 伊勢~奈良~京都~大阪で日本の歴史文化を体感

9月3日(火)から6日(金)の3泊4日の行程で、日本文化体感プログラムを通じた首都圏の留学生との交流事業を実施。伊勢、奈良、京都、大阪をめぐりました。 協議会では、日本人の精神性、日本らしさ、美意識の背景である歴史・文化について、様々なキーワードを使い分かりやすく解説するプレゼンテーション(座学)と、実際に現地に赴き、本物の歴史文化に触れ、体感していただくことで、日本文化、日本人の精神性(こころ)の理解につなぐことを目的に留学生を対象に様々なプログラムを企画・実施しています。 今回実施した首都圏留学生の招聘プログラムは、2020年度から実施し本年で5年目、計7本となります。 首都圏の大学に在籍している留学生に対し、関西の厚みのある歴史や文化財に直接触れる機会を提供することで、日本への理解を深めていただくと共に、日本の歴史的文化背景を深く知ることにより、自らの専門領域での理解にも役立てていただくことを目的としています。 首都圏からは、ガーナ(2名)、エクアドル、スリランカ(2名)、中国(2名)、モンゴル、インド、エチオピアからの留学生10名。関西からは、大阪公立大学の日本人学生2名が参加し、計12名で実施しました。

9月3日、東京から名古屋を経由し宇治山田駅に到着した留学生を日本人学生と出迎えました。 まずは、駅前の大喜へ。簡単な自己紹介をしたのち、全国で神宮への参拝を勧誘したという御師にちなんで再現された「御師弁当」をいただきました。 最初の訪問は、「せんぐう館」。式年遷宮のことをはじめ、伊勢神宮全般について紹介されたパネルや展示物をガイドの案内で見学しました。 次にバスで内宮を見学。参拝後は、おはらい町、おかげ横丁で自由行動でショッピングや食べ歩きを楽しみました。その後、奈良へ、近鉄奈良駅近くのホテルで宿泊しました。

9月4日。まずは奈良の早朝散歩。猿沢池から興福寺の五重塔(残念ながら、現在修復工事中で覆いがかかっていました)、中金堂、南円堂を散策。木陰で休む鹿に遭遇し、記念撮影。 朝食後、バスで出発。東大寺へ。県庁前の駐車場から南大門を通って、大仏殿を見学しました。 奈良を後にして、次の訪問地宇治へ。宇治では、平等院を見学、昼食の後、福寿園宇治工房で抹茶づくりを体験しました。 2日目は京都に宿泊。ホテルにチェックイン後は自由行動、人気の伏見稲荷大社を訪問したようです。

9月5日は、京都。 まず、丸益西村屋へ。 ここでは、江戸時代に発達した、日本を代表する文様染である友禅染を体験しました。染め方を教えてもらい、自分たちの好きな型紙を選んで、オリジナルのハンカチづくりを楽しみました。 妙心寺近くの阿じろで精進料理をいただいた後、退蔵院へ。松山大耕副住職から座禅の意味などをお聞きしながら座禅体験、国宝の瓢箪図や史跡名勝・枯山水庭園「元信の庭」、そして四季折々の景色が美しい池泉回遊式庭園「余香苑」を見学しました。 京都を後に大阪へ。山本能楽堂を訪問しました。まず抹茶とお菓子をいただきました。次に「謡(うたい)」に挑戦。能舞台へあげていただき、能の歩き方や能衣装を着るなど、「能」を体験しました。

9月6日、最終日は大阪城訪問とワークショップです。 ホテルから電車と徒歩で大阪城へ。石垣や大手門などの造りなどの解説を聞きながら天守閣へ。天守閣で大阪城の歴史について見学し、最上階へ。エレベーターが工事中のため、よい運動になりました。

最後のワークショップでは、プログラム全体を振り返りました。 滋賀県立大学非常勤講師の佐々木氏のファシリテーターで2班に分かれてスタート。 ワークショップでは、今回の旅行で訪問した場所での体験で、母国の文化と異なる点、母国の文化と似ている点を各自付箋に書き出し、それを歴史街道のマップに貼り付けていきます。 それぞれテーブルでは、自分たちの国の文化について、何が印象に残ったのか、それぞれが活発に話しました。 最後に班毎で発表していただき、終了となりました。 参加者からは、「Learning the history in Japan and how it evolved in different eras is very important to understand why the current historical places are important.」「The program was honestly well planned and executed. Time was well controlled making it possible to finish within time. 」「とても貴重な経験をさせて頂きありがとうございました!日本と海外両方に興味を持つきっかけになりました。」 また、「My little request is that future tour should throw more light on Japanese fashion culture. 」「地元の民俗館とかに行ってみたいです。お寺だけでなく、古代の庶民たちの生活はどうなっているか知りたいです。」などのリクエストもありました。