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歴史街道倶楽部 京の冬の旅 非公開文化財特別公開 ~秘められた京の美をたずねて~ 実施報告
歴史街道倶楽部は、去る2月5日(火)と2月9日(土)に、「京の冬の旅 非公開文化財特別公開 秘められた京の美をたずねて」を実施しました。今回のテーマは、「京都にみる日本の絵画~近世から現代~」で、「建仁寺 両足院」、「妙心寺 天球院」、「妙心寺 麟祥院」と「妙心寺 龍泉菴」の4寺を、京都駅よりバスで訪れました。寒い冬の京都ですが、この時期、この辺りは観光客も普段よりは少なく感じ、2回で合計65名の参加者は、ゆったりと見学することができました。 最初に訪れたのは「建仁寺 両足院」です。建仁寺は、栄西によって創建され、両足院はその弟子龍山徳見によって守塔された「知足院」をいいます。伊藤若冲の「雪梅雄鶏図」は赤色と白色の色使いなど鮮やかで感動しました。その他、長谷川等伯の「水辺童子図」や七類堂天谿の障壁画なども解説をいただきながら、ゆったりと見学いたしました。また、境内にある毘沙門天には寅が祀られており、寅年の守り神だそうです。
「建仁寺 両足院」の後はお楽しみの昼食です。五条通り沿いにある老舗「はり清」にて京料理をお楽しみいただきました。一品ずつ出される心こもった京料理を美味しくいただきました。和やかな憩いの時間90分はあっという間に感じました。
午後からは、広い境内を持つ妙心寺の3つの塔頭を巡りました。まず訪れたのは、「天球院」です。天球院は、姫路城主・池田輝政の妹・天久院が創建し、長く池田家の菩提寺となったそうです。方丈には狩野山楽、山雪の障壁画がありましたが、ほとんどが複製品とのこと。それでも虎を空想で書いたという「竹虎図」など圧巻です。学生さんの詳しい解説は、とても分かりやすかったとの声を多く聞きました。
次に訪れた塔頭は、「麟祥院」です。3代将軍徳川家光が乳母 春日局のために建立した菩提寺です。方丈には、春日局、父 斉藤利三と親交のあった海北友松の子、友雪の障壁画が飾られていました。特に感動したのは「雲龍図」です。正面に向かって右と左に雄と雌の龍が一頭ずつ描かれた水墨画です。雄と雌の違いは、角が上を向いているかどうかで分かるそうです。また、御霊屋に安置されている「春日局坐像」は、波乱な人生を歩みながらも、穏やかなお顔をされていたのが印象的でした。
最後に訪れた「龍泉菴」は、妙心寺四派の一つ龍泉派の本庵で、妙心寺を再興した雪江宗深が一番弟子 景川宗隆に付与した小庵です。方丈には、日本画家 由里本出の100枚もの襖絵が広く、そして大きく展示されていました。「種々東漸図」や「菩提樹」「沙羅双樹」など、色鮮やかで圧巻でした。
その後、妙心寺からバスで京都駅に戻り、解散です。みなさま、一日お疲れさまでした。歴史街道倶楽部では、 毎年「京の冬の旅」、「京の夏の旅」を実施し、毎回好評です。その他、ウォークやバスツアー、講演会、伝統芸能鑑賞会など多くのイベントを実施しています。次は、あなたも、歴史街道倶楽部の会員になって歴史街道倶楽部のイベントに参加してみませんか?