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歴史街道倶楽部イベント報告 2019年7月27,30日 京の夏の旅 文化財特別公開 ~「京の御大礼」と「京都の世界遺産登録25周年」~

7月27・30日の両日、歴史のまちウォーク『京の夏の旅 文化財特別公開 ~「京の御大礼」と「京都の世界遺産登録25周年」~』を実施しました。 毎年恒例の「京の夏の旅」では、通常非公開となっている文化財を見学します。 今年は、「京の御大礼」と「京都の世界遺産登録25周年」をテーマとして、「上賀茂神社本殿・権殿」「下鴨神社 本殿・大炊殿」と「仁和寺 金堂・経蔵/観音堂」を訪れました。 ■上賀茂神社 上賀茂神社は、京都でもっとも古い神社のひとつとして知られており、1994年、ユネスコの世界遺産に「古都京都の文化財」のひとつとして登録されました。 賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)を祀る「本殿」とその仮殿である「権殿」が国宝に指定されているほか、朱塗りの桜門をはじめとする41の建造物が国の重要文化財に指定されており、非常に見どころの多い神社です。 現在、21年に1度の式年遷宮が行われています。

細殿前の立砂(たてずな:円錐状の2つの砂の山)は、賀茂別雷神が降臨したという神山(こうやま)を模したもので、陰と陽の一対となっており、鬼門に撒く清めの砂の起源とされています。

■下鴨神社 世界文化遺産・下鴨神社は、京都最古の社の一つです。 古代の原生林の植生を今に伝える広大な糺の森のなかに、2棟の国宝、53棟の重要文化財が点在しています。 東西に構える本殿は、いずれも国宝に指定されており、御祭神である賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と、その子である玉依媛命(たまよりひめのみこと)が祀られています。

重要文化財の一つである大炊殿は、神様の食事を調理する台所です。火を扱うため、神社では珍しい瓦葺の社殿となっています。入り口の土間には竈があり、中の間には材料を洗い調理をする台所、奥の間には盛り付けた神饌をご神前にお供えする順に並べておく配膳棚が設けられています。

「葵の庭」ではフタバアオイがかわいらしい姿を見せていました。

■仁和寺 世界文化遺産・仁和寺は、代々皇室から住職を迎えた門跡寺院です。 広大な境内は、手入れが行き届いた静謐な空間となっています。

慶長年間造営の紫宸殿(即位の大礼などの儀式が行われた御所の建物)を移築した金堂は、桃山時代の宮殿建築を伝える貴重な建物です。

経蔵にある八角形の輪蔵(回転式書架)は、一回転させることで中の経典を読んだのと同じ功徳が得られると言われています。

観音堂は、928(延長6)年頃に造営され、江戸時代初期(1640年頃)に再建されました。 仁和寺の最重要儀式「伝法灌頂(でんぽうかんじょう)」が行われる建物です。 約6年にわたる半解体修理が終わり、再建時の美しい建物や障壁画を見ることができます。本尊・千手観音菩薩立像を中心に、不動明王像、降三世明王像(ごうざんぜみょうおうぞう)、風神・雷神像など三十三体の仏像が並ぶさまは圧巻です。 柱や壁に極彩色で描かれた「三十三応現身図」や「六道絵」を間近に見ることも出来ます。 歴史街道では、セミナーやウォーク、バスツアー、歌舞伎や文楽などの伝統芸能観賞会など、歴史文化に触れていただくイベントを定期的に実施しています。皆様のご参加および歴史街道倶楽部へのご入会をお待ちしております